女性にとっての晴れ舞台、結婚式!
ウエディングドレスに和装の花嫁衣裳、どちらも子供のころから一度は憧れたことがあるのではないでしょうか。
真っ白なお衣裳に包まれて愛する人のもとへ嫁いでいく姿。
ウエディングドレスももちろん人気ですが、結婚式で和装を取り入れるシーンが最近よく見受けられます。
といいますのも、神前式や前撮り、披露宴でのお色直しなど様々な場面で和装を選ぶ方が多くなっています。
古式ゆかしい風情があるので、和装は憧れの花嫁姿として大人気なのです。
では、結婚式の花嫁さんの和装についてご紹介いたします。
白無垢、色打掛、引き振袖の3種類があります。
白一色で織り上げられた白無垢は、最も格式高い正礼装です。
綿帽子や角隠しをつけ、打掛から掛下、帯、小物にいたるまですべてを白で統一した装いは神前式で大人気です。
もともと武家社会で生まれた花嫁衣裳で、一般の庶民が身に着けるようになったのは戦後だそうです。
以後、長きにわたり日本女性が憧れる婚礼衣装となっています。
なお、基本的に白無垢とは生地も刺繍も白一色のものであり、白地に金銀の刺繍などが施されたものは「白地の打掛」と呼ばれています。
もともとは衣裳も小物も白で統一するのが正式ですが、最近では襟元に差し色が入っていたり、刺繍が施してあったりと、選ぶ楽しみも増えています。
なぜ白なのかには諸説ありますが、「どんな色にも染まります」という花嫁の決意が込められています。
華やかさが際立つ色打掛は、白無垢と同格の正礼装です。
織りや刺繍、染色で華やかな模様が描かれ、色や柄で選ぶ楽しさを味わえます。
最近の結婚式は、色のある掛下とコーディネートして、自分らしく色打掛の着こなしを楽しまれる花嫁さんが増えています。
白無垢やウエディングドレスで挙式したあと、披露宴でのお色直しに選ばれることも増えています。
また、ヘアスタイルも、神前式では角隠しを合わせ、披露宴では洋髪にするなど、幅広いアレンジも色打掛の魅力となっています。
江戸時代から武家や裕福な町人の間で人気が高かったという引き振袖は、大振袖とも呼ばれ、一般的なお振袖に比べてお袖が長く、裾にふき綿が入った女性らしい優美なラインが特徴です。
赤や金など様々な色を使った華やかなお振袖で、長いお袖と引きずるほど長い裾は花嫁さんだけの着こなしです。
色打掛と似ていますが、見分け方として「帯が外に出ている」ことが特徴です。
白無垢や色打掛と比較して軽いので、動きの多い人前式や比較的カジュアルな雰囲気でのパーティー、会食などで着用されることが多いです。
また、ヘアスタイルも神前式では文金高島田に角隠しを合わせて格調高く、披露宴ではお生花をあしらった洋髪で華やかな和装コーディネートにするのも素敵です。
帯や小物、和装でもブーケなどのコーディネートが楽しめるもの魅力です。
和装の花嫁衣裳には小物も花嫁用のものがあります。
着物コーディネートのポイントになる重要なアイテムですのでご紹介いたします。
もともとは江戸時代の化粧ポーチのようなもので成人女性の持ち物でした。
今は着物の胸元を飾る装飾品で、上部には銀の飾りのついたかんざしの替えを挿します。
花嫁のもつお扇子のこと。
「末広がりに幸せが続くように」という意味から「すえひろ」と呼ばれます。
閉じたまま手に持つためだけのものであり、開いてパタパタあおいだりするのはマナー違反です。
房付きの袋に入れて帯の左側に挿す短剣で、新たな人生へ旅立つ花嫁を災いから守る役目といわれています。
草履の高さは、打掛や引き振袖の場合は裾を引くため、高さのあるものが良いです。
白無垢の際は、草履も白が基本です。
帯締めは帯の上から飾る装飾品で、花嫁の帯締めは中に綿を詰めた「丸ぐけ」と言われるタイプです。
帯の下部に巻く細帯のことで、着物の長い裾をかかえるために用いられていたものの名残りと言われています。
色打掛や引き振袖には、「吉祥柄」が使われています。
吉祥柄とは、伝統的な和装に使われている柄で、幸せを願う「縁起物」が描かれています。
各柄の持つ意味を知るとより趣深くなりますので、いくつかご紹介いたします。
「鶴は千年、亀は万年」と言われる通り、亀は長寿の象徴です。
甲羅の六角形をモチーフ(亀甲柄)としてあしらわれます。
亀と同様、長寿の象徴であり、また鶴は決まった相手と生涯添い遂げることでも知られているので、婚礼衣装には必ず2羽以上の鶴が描かれています。
理想郷には牡丹が咲き誇るとされ、「嫁ぎ先が理想郷のような場所でありますように」との願いが込められています。
色や姿形が美しいばかりでなく、雌雄の仲睦まじい様子が夫婦円満、良縁、生涯連れ添うなどの意味をもつ吉祥文様です。
七宝(財宝)、打ち出の小づち、巻物(知恵、知識)、宝袋など縁起の良い柄が集まった文様で、豊かな将来を願って用いられています。
二枚貝は一つ貝になっており、ほかの貝と合わせても絶対にかみ合わないことから、一生涯連れ添う夫婦の象徴とされています。
如何でしたか?
和装の花嫁衣裳も奥深いですよね。
柄や小物など、その全てに嫁ぎ行く花嫁さんの幸せを願う心が込められているのですね。
京都は和装の似合う街です。
歴史ある京都の街並みで、古式ゆかしく婚礼衣装に身をつつみ、幸せの門出の日を迎えるなんて素敵ではないでしょうか!