昨今、ウエディングドレスだけでなく和装での結婚式やウエディングフォトに興味を持たれる方が増えているようですが、和装婚＝神前式とは限りません。
和装での人前式も人気になりつつあるようですが、お寺で挙げる「仏前式」を皆さんはご存じですか？
せっかく素晴らしいお寺が多くある京都で結婚式を挙げるなら、仏前式を選んでみるのも京都らしく、また他のカップルと異なる印象的なものになることでしょう。
あまり馴染みのないように思う仏前式ですが、実は芸能人や有名人の中にも仏前式を挙げている方はいらっしゃるんですよ。興味深いですね。
数ある中から、仏前結婚式が挙げられる京都の寺院をいくつかピックアップしてご紹介していきます。
恵光寺(えこうじ)
浄土宗西山禅林派
ご本尊：阿弥陀如来
本山：永観堂禅林寺
慶寿庵と恵光寺が合併して明治時代に新たな恵光寺として再スタートしたお寺です。
挙式はご本尊の前に両家の先祖代々のお位牌をまつります。
おふたりが今ここにいるのは先代、先々代…とご先祖様からいただいた命あってこそ、という考えからお式が進められます。おふたりの命がどこからきて、どうして結ばれたのかを仏様の前で確認する儀式というわけです。
高台寺(こうだいじ)
臨済宗建仁寺派
ご本尊：釈迦如来
豊臣秀吉の夫人であるねねが、秀吉の死後その冥福を祈って建てたお寺です。
境内には四季ごとに美しい景色がひろがる庭園や開山堂など、多くの重要文化財があり、普段は立ち入ることのできないお庭を新郎新婦様と参列者様にのみ開放されます。
挙式の前にお抹茶とおまんじゅうでおもてなしされる心温まる雰囲気が魅力です。
金戎光明寺
浄土宗大本山
ご本尊：阿弥陀如来
1日１組限定、阿弥陀如来様の前で結婚を誓える方のみお式を挙げることができます。
「くろ谷さん」という名で親しまれる、法然上人が平安時代に比叡山の黒谷を下り、初めて草庵(草やわら、かやなどで屋根をふいた住まい)を建てた地です。
新選組発祥の地とも言われており、古くから先人たちの新しい旅立ちを見守ってきたので、ここで成婚を誓い、仏様のご加護をおふたりの新しい生活はより豊かなものになることでしょう。
青蓮院門跡(しょうれんいんもんせき)
天台宗 門跡寺院
ご本尊：熾盛光如来曼荼羅(しじょうこうにょらいまんだら)
このご本尊は光の化身とも言われており、ライトアップが話題になる寺院です。
門前の５本の楠は京都市の天然記念物。庭園は秋には見事な紅葉、5月には真っ赤な霧島つつじが咲き誇ります。
国宝指定の青不動曼荼羅と、歴代天皇陛下、皇后陛下のお位牌の前で挙式が行われます。
神泉苑(しんせんえん)
東寺真言宗
ご本尊：聖観音菩薩
善女龍王杜での神前式と、本堂での仏前式があります。人前式も行えます。
二条城の南に位置し、祇園祭発祥の地とされているこの寺院は、街の中にあるとは思えないほど池や泉、森林が広がり緑豊か。朱色の法成橋(ほうじょうばし)は願い事をしながら渡り、善所龍王にお参りすると願いが叶うと言われています。
また神泉苑は、源義経と静御前の出会いの場所なので、恋愛成就祈願でも有名なことから、結婚の誓いを立てるにはふさわしいと言えるでしょう。
苑内の池や橋を使ってお式を進めるなど、演出に関してオリジナリティを叶えてくれるのが魅力です。
随心院(ずいしんいん)
真言宗善通寺派
ご本尊：如意輪観音
平安鎌倉期の諸尊の前で静かにお式が執り行われます。
平安時代の美女小野小町ゆかりのお寺で、梅の名所。庭園や書院を背景に前撮りも可能で、その写真を披露宴や招待状に使用することができます。
小野小町の襖絵が見事で、ピンク色で彩られた襖の前で撮る写真はとても映えるものになります。
知恩院
浄土宗総本山
ご本尊：阿弥陀如来
数々の国宝や重要文化財のある京都屈指の総本山でありながら、宗教、宗派問わず結婚式を挙げることができます。
両家の先祖代々のお位牌と阿弥陀如来の前で、「共に明るく・楽しく・仲良く」生活することを誓いあいます。
仏様の前で7本の花を捧げる「行華(あんげ)の儀」が特徴です。
西本願寺
浄土真宗本願寺派
ご本尊：阿弥陀如来
大谷本廟の礼拝堂か、本山安穏殿の2ヶ所の会場があります。
本願寺関係者でなくともお式を挙げることができます。
雅楽演奏が響く中、厳粛な雰囲気で誓いの言葉やお念珠の交換などが行われますが、式次第は両家の希望を聞いてもらいながら決定できます。
例えば指輪交換、記念撮影や、友人知人の方々の参列に関しても相談できます。衣裳も和装にこだわらず、洋装での挙式も可能です。
ごく一部の寺院を簡単にご紹介しましたが、他にも京都には多くの寺院があるので、気になるお寺に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
HPがあるお寺もあり、各ウエディングプロデュース会社と提携しているところも多いので、おふたりが魅力を感じる寺院を探してみてください。