和装の婚礼衣装に憧れはあるものの、合わせる髪型にどんなものがあるかわからないと悩む花嫁さんは多いのではないでしょうか。
結婚式という特別な日を自分に似合うお気に入りのヘアスタイルで過ごしたいですよね!
私事ですが、約20年前の頃は和装の結婚式には日本髪のかつらを合わせるのが一般的でした。
お衣裳合わせの際、かつら合わせをして、かんざしなどの装飾品を選んでました。
その当時、かつらと言えば黒髪のみかと思っていましたが、やや茶色がかった髪色のかつらがあり驚いたものでした。
時代は移り変わり、今では和装にもイマドキなおしゃれを楽しめる「洋髪」を合わせる花嫁さんも増えてきて、自分に似合うスタイルを選びやすくなってきたのではないでしょうか。
洋髪が好まれるようになったのは、かつらの窮屈さや、披露宴でのお色直しの際のヘアアレンジの便利さ、そして、少しでも小顔に見せたいと願う花嫁さんの希望だそうです。
では、日本髪と洋髪について詳しくご紹介いたします。
日本髪
和装の花嫁さんの髪型の代表的なものとして挙げられるのが、「文金高島田」という日本髪で、多くはかつらを使用しています。
文金高島田は江戸時代に登場し、未婚女性の髪型の代表的なもので、明治以降、花嫁の正装として定着しました。
その名前の由来は、嫁ぐ娘のために母親が髷(まげ)の中に小判(文金)を1枚忍ばせるために高く結い上げたことから文金高島田と呼ばれるようになったという説もあるそうです。
現在ではほとんどの場合、文金高島田のかつらを使用していますが、かつらにも日本髪にもなじみがないため、不安に思う花嫁さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、今のかつらはさまざまな改良が施されているので、軽くて圧迫感のないものもご用意されています。
また、髪の色、額の形、びんの張り具合や髷の高さなどにさまざまな工夫があり、お顔立ちや雰囲気、お好みに合わせて調整したり自由に選ぶことができます。
かつらには地毛は全て納めて被せる「全かつら」と、フェイスラインは自身の髪を用いて、被せたかつらに結いつける「半かつら」があります。
全かつらよりも少し小ぶりで額や耳が出るスタイルです。
現在では時代劇などにもよく使用されていて、かつらでも自然な感じに仕上がります。
またかつらは使用せず、地毛で結い上げる「華結い」というスタイルもあります。
地毛ですので、お顔立ちに合わせて結い上げることができ、お色直しで洋髪にチェンジも可能です。
髷(まげ)の部分はつけ毛を使用できるので、髪の長さは肩下15センチ程、前髪は鼻先程あれば結い上げは可能です。
他にも地毛で結い上げる日本髪には「新日本髪」と言われるスタイルもあります。
こちらは伝統的な「華結い」と見た目は同じですが、鬢(びん)付け油の代わりにワックスを使うなど方法を現代化したヘアスタイルです。
いずれもかつらと比べ、生え際も自然で、日本人女性特有の「かわいらしさ」を存分に引き出せる髪型で、古風で清楚な雰囲気にしたい花嫁さんから人気が高いようです。
では、神前式の際、綿帽子と角隠し、どちらを装着すればよいのでしょうか。
それぞれをご紹介させていただきます。
・綿帽子
文金高島田に結った髪の上にかぶる、白い袋状の布のこと。
綿帽子を合わせることができるのは白無垢のみとされています。
綿帽子はウエディングドレスのベールと同じで、挙式が済むまで新郎様以外の方にはお顔を見せないという意味があります。
室町時代から江戸時代にかけては女性の外出用の埃よけや防寒用としてかぶられていたのが、徐々に婚礼用のかぶりものとして用いられるようになったそうです。
日本髪の上からかぶることが一般的ですが、今では洋髪に合わせられるように浅く作られたものもあります。
・角隠し
文金高島田の上につける帯状の布。
角隠しは白無垢、色打掛、引き振袖の全てに合わせられます。
角隠しには「角を隠し、その家の従順に従う」という意味があります。
江戸時代、良家の女性たちが髪に挿したかんざしの端を隠すために着けたのが始まりともいわれています。
白無垢を着用される場合、綿帽子と角隠し、どちらが正式であるというわけではなく、お衣裳やお顔立ち、花嫁さんのお好みで選ぶことができるそうです。
現在は和装に洋髪というスタイルも増えてきましたが、洋髪には角隠しは出来ませんので綿帽子、かつらなら綿帽子、角隠しかはお好みだそうです。
次にお顔型にあった洋髪をご紹介させていただきます。
洋髪
日本髪、洋髪どちらにしても基本はアップスタイルです。
でも、「アップスタイルだと輪郭が出てお顔が大きく見えるのでは?」と不安に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな不安もお顔型に合った髪型選びで自信が持てますよ。
・丸顔さん
丸顔さんは縦の長さを強調すると良いでしょう。
トップにウェーブでボリュームを出したヘアアレンジや、あえておでこを出したヘアアレンジがお似合いです。
高めの位置のお団子も丸顔さんは大得意です。
・面長さん
面長さんはトップにあまりボリュームを出さず、横幅を意識したヘアスタイルがお似合いです。
サイドに髪飾りや巻き髪でポイントをつけると気になる縦長が軽減されます。
また横幅の出てしまうぱっつんの前髪が似合うのは面長さんだけです。
・卵型さん
卵型さんは基本的にどんな髪型とも相性抜群です。
そのなかでも、フェイスラインを隠さないヘアアレンジが重みのある和装に抜け感が出るのでおすすめです。
・ベース型さん
ベース型さんはお顔周りに巻いた後れ毛を出すと良いでしょう。
トップのボリュームを出して立体感をプラスするのもおすすめです。
・逆三角形さん
逆三角形さんはAラインシルエットを意識したヘアスタイルがお似合いです。
あごの付近やあご下に髪飾りや後れ毛をおき、トップからのAラインシルエットをつくると良いでしょう。
まとめ
如何でしたか?
和装のヘアスタイルも今はさまざまな選択肢があり、迷いますよね。
神前式や前撮りでは日本髪、披露宴ではお色直しも考慮して洋髪のスタイルを選ばれる方が多いそうです。
晴れの日、お気に入りのヘアスタイルで、洋装とは違った、和装の「凛とした美しさ」をまとってみてはいかがでしょうか。